火打山、妙高山


2006/9/8

火打山(ひうちさん)2462m 深田百名山

数日前の天気予報では、山行の日はくもり時々晴れだったのに、
だんだん文字通り雲行きが怪しくなり、
こちらでは大雨警報が出る始末で、
現地も雨の予報に変わってしまったのです。

山の眺望は諦めつつ、北陸自動車道を走り、妙高ICで降りて、
笹ヶ峰の駐車場に到着しました。
木曜日の夜だから、すでに駐車してある車は、5台ほどと少なかったです。

雨は降っていなかったのですが、慌てて駐車場でテントを張り、
明日に備えて速攻寝ました。

3時間ほど寝て、
明るくなってきた頃、外での話し声で目が覚めました。
まず気がついたのは、テントを打つ雨の音がしないこと。
テントから顔を出して気がついたのは、雨が降っていないどころか、青空が広がっていること。
どうゆうことよ、気象庁さん。

コンビニおにぎりと野菜具だくさんカップ味噌汁の朝食を取り、
水は隣の笹ヶ峰キャンプ場で入れることができます。
水場のない(あっても煮沸しなければならない)山だから、
多めに水を担ぐことにしました。
合計で4リットル近くにもなりました。
これだけでも重いよ〜(泣)。


登山口の門

登り始めは、なだらかな斜度に木道が整備されていて歩きやすいのですが、
黒沢橋を過ぎると様相は一変し、
急登が始まります。
十二曲がりとかいうそうで、
辛いから数えてなんかみないけど、数えるとちゃんと12回曲がるそうです。
でも、どこからが十二曲がりなのか分からず、
さんざん曲がって登ったところで、
十二曲がりの標示を見たときには、
まだここからが十二曲がりが始まるのかと、もうウンザリでした。
っていうか泣きが入ります。

昨年、どこかの山で、右のおケツの筋肉を傷めてしまい、
今年の九州北部の山を歩いた春合宿では、
ぜんぜん痛みがなかったんだけど、
帰ってきたら、なんだか痛くなってきました。
それで、冷やしたり、シップを貼ったりしたんだけど、
ぜんぜん治らなくて、
じゃ、マッサージしたら良くなるかもとモミモミしたら、
ますます痛くなっちまった。
そのうち、ほったらかしにしてたら、痛みは引いたけど、
少し歩いただけでも、筋肉に張りが出てしまいます。
んで、今はストレッチをすることにしてます。
今回も登る前に十分ストレッチしておいたおかげか、
まだ痛みも張りもないから、ホッとしたけど、
歩幅を狭くして、ユルユル歩くことにします。

今回は、K林とM島との同期入社三人組で来たのです。
この2人は、以前から標準コースタイムを縮めることに執念を燃やし、
他の登山者に抜かれることを許さない、
抜かれそうになると足を掛けて登山者を倒してしまうほどの
(いやいや、そんなことしないって!)、
昨年、笠ヶ岳を日帰りしてしまう猛者です。
そんな彼らも今回は、まったり登るということなので、
オイラは同行することができました。

夏山よりは涼しいはずだけど、汗は止めどなく流れ、
水は、どんどん減っていきます。
荷は、軽くなっていいんだけど、明日の分が心配になるよ。

思考が無限ループになる頃、
火打山と妙高山への分岐となる富士見平に到着します。
火打山へは、左を行くと、なだらかな道になり、
しばらくすると火打山と高谷池ヒュッテが目の前に現れます。


火打山と高谷池ヒュッテ
この頃は、まだ山頂にガスがかかってなかったのに。

高谷池ヒュッテにザックを置き、サブザックで火打山を目指します。
ちょい高谷池ヒュッテの中をのぞくと
狭いながらもきれいに整理され、天井にはいくつものランプが吊ってありました。
ちょうど出てきた山小屋のおっちゃんに
「昔使っていたランプを飾ってるんですね。」と聞いたら、
おっちゃんは、きょとんとして「今でも使ってるよ。」と返してきました。
そっか、電気来てないし、自家発電もしてないのね。

ちなみに、高谷池ヒュッテは、
トイレで使った紙は備え付けのビニール袋に入れて各自がお持ち帰りするそうです。
環境に配慮してね。


高谷池ヒュッテと湿原

高谷池ヒュッテの前の湿原の畔を歩き、
少し上がると広い草原の中を木道が延びています。
花の時期は過ぎているんだろうけど、
8月初旬に咲くアオノツガザクラ、イワカガミ、ミヤマキンバイが、
黄色く色づき始めた草原に、
夏の名残のようにひっそりと咲き、その所だけプチ華やかにスポットが当たっていました。


ガスがかかり始めた火打山

少し登りになり、右手に日本海が霞んで青く広がっています。
雷鳥平は、一部草がなくなってしまっていて、雷鳥などはいそうにもありません。

またまた登ると山頂に到着します。
周りを見渡せるのですが、ちょうどガスが山頂を覆っていて、
日本海側以外は何も見えません。
もうちょい、早く着いてたらなぁ・・・。


蒼い日本海

ひっそり火打山山頂

サブザック

来た道を戻ります。
トリカブトの大きな群生がところどころにあり、
これだけあれば、何かに使えそうな気がします。
(使ったらあかんて!)


気持ちのいい下り

トリカブト

庭園のような湿原

高谷池ヒュッテ横のテーブルで昼食をとります。
メニューは、日本人の代表的な携帯食、インスタントラーメンとコンビニおにぎり。
最近、カップラーメン派が多く見られるけど、
オイラは、やっぱインスタントラーメン派やな。
特に「出前一丁」にトドメをさすな。
「出前一丁」にカップラーメンができたらどうする?
ん〜でも、麺のコシから言ったら・・・(コシあったか?)。

K林は、近くの水場で水を汲んで煮沸したけど、水に色が付いています。
む、む、む・・・、なんてことないし。


黒沢池ヒュッテ


茶臼山を越えて下ると、黒沢池ヒュッテが見えてきます。
青い屋根をした天文台のような、きのこのような形の山小屋で、
上の丸っこい部分が寝室で、
下の部分が食堂です。
寝室は、上から見ると円の中心に足を向けて、
皆が輪になるような配置で布団を敷くようになってます。
これだと隣の人との頭が遠くていいな。


寝室の太い柱
今日は柱の間に3人の割合で寝ます。

ここで驚異的な高齢者に出会いました。
昨日は白馬岳、今日は火打山に登り、
明日は妙高山、あさっては雨飾山の登るそうで、
その雨飾山で百名山99座目だそうな。
73歳の単独行の男性で、
昨年は17座、一昨年は17座、その前の年は14座と、
70歳過ぎてから、かなり登っています。
健康法は、毎朝の太極拳と手足に重りをつけて45分間歩くそうです。
それでも、50歳代後半は、標準コースタイムを超えてしか歩けなかったのが、
この運動のおかげで標準コースタイムの8割で歩けるようになったそうな。
退職したら時間があるから、運動できるし、
どんどん山に登れるようになりますよと励まされてしまいました。

百名山の完踏目前で気合が入ってるんだろうけど、
それにしても4日間、縦走じゃなくて、
移動、登山、移動、登山を繰り返すのは、
並大抵じゃないね。

今晩の枕元に置くヘッドランプと水を用意し、
明日使うサブザックに雨具、行動食、水などを入れてから、
夕食まで、下の食堂でビールや担いできた赤ワインを飲んでウダウダ過ごします。
夕食は、ごはん、味噌汁、牛丼の具、里芋、椎茸その他の野菜でした。


食堂で

周りを眺めるとお客さんは、60歳以上ばかりのようです。
やはり平日の山小屋は時間に自由があるリタイヤした方が多いんだなぁ。

さらに赤ワインを飲んでウダウダして、8時には布団に入ってしまいました。


2日目 妙高山へ続く

ツネハイクへ戻る